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能書三昧

古武道演武大会

 さる2月15日に日本武道館で開催された「古武道演武大会」に行ってきた。

 入場招待券が手に入ったということもあるが、出場47流派の中に「天然理心流」「宝蔵院流槍術」 「小野派一刀流」などという文字を見ては、こりゃあいっぺん見ておかないと、てなもんである。

 素人の私としては結構にぎやかな大会を予想していたが、正反対。出演者もピンと張り詰めた空気で 演武を披露しているし、観客も咳ひとつせず真剣にみていて、はじめとおわりに拍手が出るだけ。 考えたら演劇などとちがって演者が喋らない大会ですから、静かなのも当たり前か。ときどき響くのは 打ち合いの気合のこもった掛け声のみ。

 

 観客は2階席、演者はフロアと分かれており写真では見づらいかもしれませんが畳と床の両面ありました。 柔術、合気術などもあってそういう流派は畳を使用。
  行ってみるまでは、理心流だけでも見て帰ろうか、ぐらいの気持ちでしたが、ついた早々から 各流派が出てくるたびにじっと見入ってしまい、気がつくと待ち合わせの時間に遅れている、と言う状態でした。

 一番引き込まれたのは、どの流派にしても姿勢、歩き方、座り方、それぞれの武道の所作が凛としていて、 美しかったこと。古武道ですから、みなさん和服か稽古着に袴姿で、もう歩く姿が本当に美しい。 見ているだけで気持ちが引き締まります。その上、据え物斬りなどや、形の披露で真剣を扱うので、文字通り真剣です。 当然ですよね。少しでも気が緩んだら命に係わりますから。そういう演者の気迫が観客にも伝わって、 固唾を呑むようなムードでした。

 天然理心流では、例の太い木刀での立会いがあり、竹刀での立会いがあり、真剣での形の演武があり、 刀を盗られそうになった時の相手を抑える形の披露もありました。(これは先日、NHKでも紹介されていました。)
  小野派一刀流の立会いでは、相手をかなり追い詰めるという感じでした。もちろん、各流派ともそれぞれ いろいろな形があり、使う道具もいろいろあるんでしょうが、なにせ持ち時間8分では限られます。 (少しずつ時間オーバーしてました)それでも見ごたえがありました。

 それにしても古武道と一口に言っても様々ありますね。
  剣術、柔術、棒術、槍術、薙刀術、合気柔術、鎖鎌や手裏剣までありました。
  いい勉強になった。なんでも興味を持ってみるもんだわ。
  実りのある一日でした。

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