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能書三昧

新撰組! その4

 終わりが近づいてきました。あっという間に1年経ったのね。私にとっては新撰組に明けて新撰組に暮れた 1年でした。近頃では、漫画でもテレビドラマでも、連載を見逃してもさほど気にならなくなってきましたが、 「新撰組!」だけは、録画に失敗したら土曜日は血眼!というほど見逃せなかったです。 最終回は板橋だと知ったのは最近というほど疎いですが、その分次回予告までたっぷり楽しみました。

 待ちに待った土方さんの洋装姿が見られて、もう大満足。期待通りいい男ぶり。 断髪洋装の山本=土方さんは本当にあの写真を彷彿させますね。たった3回分しか見られないなんて惜しいわぁ。  番外で函館編をやってもらいたいくらいです。

 敵も味方も大勢の人が死んでしまって、死に場所を探すような戦いに突入して……この頃には、 近藤さんは本当に武士として死ぬ為の場所を探していたのかも知れない。でも、土方さんは?鬼の副長は まだ死ぬことは考えていなかったと私は思っています。近藤さんの死を知るまでは。函館に行ってからは 近藤さんと新撰組の名とともにどうやって死ぬかを常に考えていたんだろうと思いますが、 「新撰組!」はそこまで行かない訳だから、三谷さんは最期に土方さんになんと言わせるのだろう? 早く見たいと思う一方、ずっと終わりが来ないでほしいとも思う。最終回――切ない響きです。

 この大河ドラマでは斉藤一のイメージが一新されました。後年警察官になった人と知って思い描いたイメージは 「壬生義士伝」の佐藤=斉藤さんが一番近かったんですが、大河の斉藤さんは、何かつかみどころがないのに義に篤い、 胡散臭いのに頼りにしてしまう、そんな感じ。あの一匹狼的存在でどんな警察官になったんでしょう? まぁ特殊任務についていたそうですから、人と馴れ合わない性格がぴったりだったということでしょうか。
 大河ドラマを見ながらドラマを離れていろいろ思い描いてしまいます。ドラマとはいえ、 実在した人たちのお話ですから、最終回の後だって生き残った人の人生は続くんだものね。

 あ、そうか。
  そう考えるなら、この大河ドラマでは土方さんは死なないのだわ。「新撰組!」ファンは 永遠に土方さんが生きて戦っている姿を想像していられるってことですよ。三谷さん、深いわぁ。 ホントは土方さんを死なせたくなかったってのが真相なんじゃないの?

 考えてみれば、「無頼」の連載も、山南さんや近藤さんが死ぬ場面を見たい訳じゃなくて、みんな生きていて、 活気のあるお話を永遠に読んでいたいというのが本音かも。

 こんな私はお子様かしらん。

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