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日野屯所便り
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土方歳三資料館

土方歳三資料館へ行って来ました。

例年は月に2度ほどの展示開館だったのが、今年は日野市を挙げて『新撰組のふるさと』として観光客誘致のなか、連日開館していらっしゃいます。普通のお宅の一角を公開している訳ですから、毎日観光客に対応するというのは、かなりな負担と思われます。しかも、1日何回と限定しているわけでなく、ほどほどに入場者が集まると展示品の説明を繰り返しされるのです。土方家の方々、本当にご苦労様です。

展示室正面より

⇒ 写真では見にくいですが、表の柱が土方さん
がぶつかり稽古をしたと云われる大黒柱です。



   

▲ 土方さん手植えの矢竹
歴史上の人物とはいえ、土方さんの時代はたか
だか百年前のことなんだと、つくづく不思議な気が
します。だって、土方さんが植えたんですもの。こ
の竹はここへ来た者を土方さんの時代に一瞬誘
ってくれる様です。
▼ お庭の石榴の木。
 土方さんがいた頃からあったそう です。


今回2度目の訪問でしたが、展示されていた軸などが前回と変わっていました。新しい資料などの展示も増えており、リピーターのためにも、気を使って下さっているようです。

今年の見ものはなんと言っても【和泉守兼定】の抜き身が見られることでしょう。例年だと、歳三忌の時しか見られないものが、今年だけ10月まで連日展示されるそうです。(これが見たさに2度も通う私、秋までにもう1回行こうかな。)お話によると、抜き身のままで展示しておくのは保存のためにはよろしくないらしく、今年は定期的に研ぎ師の方にお願いしているそうです。形見として戻ってきたときには剣先に刃こぼれがあったとか。これが唯一無二の土方歳三の愛刀ですから、数え切れない人の血を吸った代物なんですよね。きれいに研がれた刃からはそういう禍々しさは微塵も感じられません。(見る人が見ると見えないものが見えるのかしらん?)あの有名な写真の土方さんが佩刀しているものが目の前にあるのは、なんとも不思議な感覚です。
展示物の写真撮影は禁止のため(フラッシュなども刀にはよくないとのこと)、こればかりは、今年足を運んでいただくしかありません。

先日の大河ドラマは池田屋事変でしたが、そのとき土方さんが着用していた本物の鎖帷子も展示されています。ドラマのあとでは、やけに生々しい印象でした。

展示室を入ると正面にお仏壇があり、土方さんの位牌があります。10日遅いお盆入りで、「昨日迎え火を焚いたので、いま、歳三さんが戻ってらっしゃってるんですよ。」とさらっとおっしゃっていました。考えてみれば、土方家の方々にとっては、ちょっと有名なだけのご先祖様ですから、年に一度の当たり前の行事なんでしょうが、そう言われると思わず展示室の天井辺りを見上げてしまいました。(幽霊でもいいから姿を見たい!と思ったミーハーです。)


土方歳三資料館
〒191-0021 東京都日野市石田六〇番地
042(581)1493

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