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能書三昧

新撰組!その3

 とうとう山南さん切腹。私はこの回で初めてうるうるになりました。涙なくしては……というコメントが いろんなサイトで書かれていましたが、まさにそのとおりでした。コメディ三谷らしく、シリアスなストーリーの中にも 随所に笑いを織り交ぜてくれましたが、とうとう土方さんを泣かせてくれました。あれだけ手放しで男二人が泣いたら、 もらい泣きしないほうがおかしいってもんです。(ただ、涙腺がゆるくなってるだけって?私もトシなのよ。)
 印象に残ったのは、土方さんの目。山南さんの控えている部屋に行って、何も言わずただ山南さんを見たときの目。 山南さんに後悔するなと言われ、無言のまま去りかけて、振り向いた時の切なそうな目。言葉もない短い間で、 よくぞあれだけ苦悩する土方歳三を演じてくれたと感心しております。

 初めの出会いから、この二人には不穏な空気が流れていましたが、好き嫌いの感情とは別に、尊敬し、 認め合う気持ちがあったのだという描き方は、救われました。さんざん、土方さんに山南さんを毛嫌いするような ことを言わせてきた挙句、最後はあんな風に泣かせるとは!三谷幸喜はなんていいヤツなんだ!
 以前、土方=山本さんがTVの番組で、「『山南が死なない台本はないんですか』と聞いた」と言っていました。 まぁ、歴史を曲げるわけにはいかないので、どうしても死なせるしかないんだけど、それくらい、山南さんが死ぬのは 理不尽な感じだったのでしょうね。

 さて、いよいよ伊東甲子太郎が入隊しました。この人もいい男ですが、史実に鑑みるとこの人には 思い入れできないからなぁ。策士で怪しいくせに美男子って、やぁね。この先色々かき回してくれるんでしょうね。

 三谷さん、いったいどんな最終回を用意しているんだろう?

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